自分のトレードマークのように、ひとつだけの香りを使うのもいいですが、現実的にはあまりおすすめできません。理由は二つあります。
理由のひとつは、つけすぎを招いていしまうからです。同じ香りをずっと嗅いでいると、嗅覚がどうしてもマヒしてその香りを感じにくくなります。そうすると、つけ方が足りない気がして、どんどんつける量や頻度が増えていくものです。
そして、TPOやご自分の自律神経の問題です。
日常と少しフォーマルな場では、当然香りもつけかえるべきです。また華やかな場所と逆に華やかさを抑えなければならないような場所でも違いを意識しなければなりません。
そして、嗅覚は自律神経に影響しますので、エネルギーが必要なオンタイムにつけているフレグランスを、休息が必要なオフタイムにつけていると、緊張や疲労がとれなかったりする影響があります。
これらのことから、フレグランスは時間や場所によって変える習慣があったほうがいいのです。
フレグランスを持つなら4種類以上がおすすめ
大人の社会人であれば、4種類くらいのフレグランスを揃えておけば十分です。もちろん、それ以上持っていても差し支えありません。
嗅覚は脳に直結する感覚器官であり、「におい」は自分のメンタル、人の心理に影響することがわかっています。場面によって使い分け、逆に嗅覚を利用しましょう。
4種類のフレグランスは以下の4つの場面を想定して選んではいかがでしょう。
1.日中のビジネスシーンの香り
爽やかさとともに、立場や役割にふさわしい大人っぽさが漂う香り。ただし、重すぎない香調のものが似合います。フローラルやシトラス、オゾン・アクア系の香りにウッディやグリーンなどを組み合わせたものなどが使いやすいです。
種類はオーデコロンやオードトワレなどもいいですが、香りが持続するオードパルファムもいいでしょう。ただし、その場合はエッセンスが濃いのでつける量と場所にはくれぐれも注意してください。
2.パワーアップ・威厳を示す場面を助ける香り
対外的な場面、プレゼン、大事な会議など、気合を入れるときの香り。華やかな席などにも似合います。人によってパワーアップする香りは違うと思いますが、気品が感じられる原材料を使ったものがおすすめです。透明感のあるオゾン・アクアはあまり向かないかもしれません。
シトラス系であれば、ベルガモット、フローラル系であれば女性向けですがオーキッドやリリー、中東では香りのダイヤモンドと称されるウード(沈香)などがイメージに合います。
深みが欲しいので、オーデコロンやオードトワレより、やはりオードパルファムがおすすめです。ただし、パワーを感じる強い香りの場合は、あまり上につけないで、ウェストより下か、二の腕の裏に少しつけるくらいでちょうどです。
3.静謐な場所のための香り
最初のほうで日本の環境に配慮する必要性をお話ししましたが、静かな和食屋や寿司店などのような淡い香りしかしない空間や、白木などを使った清廉なイメージの空間では、それにあった主張しすぎない香りを用意しておいたほうがいいでしょう。
ご不幸の席などの場合も、清潔にしていても香りを整えないまま伺うのは抵抗があります。そんなときにも使えるよう考えておくと間違いありません。
サンダルウッド、フランキンセンスなど、どこか日本に近い東洋を思い起こさせる香りは向いています。また、近年は日本発のすばらしいフレグランスブランドが生まれており、それらのブランドのシリーズにも見るべきものがあります。
4.オフタイムに自分に戻れる香り
香りはつける人のブランディングになり、望む自分を身に着けることを助けてくれます。いっぽうで先にも書いたように、オンタイムのための香りのままでは、緊張をゆるめる時にうまくいかない場合があります。
プライベートで友人に会うような時間も、どこかビジネスとは違うもう一人の自分の香りを身に着けてもいいかもしれません。
自分自身に戻れる香りを、ぜひ見つけておきましょう。つけると気分がリフレッシュされるような香りでもいいですし、逆に余計な力を抜いてくれるような安らぎのある香りでもいいのです。
よさそうな香りを見つけたら、ぜひ時間を見てチェックしてください。ゆったりした時間を利用して見ていればぴったりの1本が見つかるでしょう。