自分が欲しいフレグランスはどんな香りか?
このページで、フレグランスを分類するキーワードを理解して、自分が欲しい香りのイメージを言葉で表せるようになりましょう。ここにある分類は「香調」や「ノート」と呼ばれます。
フレグランスは、使う原材料とその組み合わせによって千差万別ですが、このノートを少し覚えておくと、このようなメリットがあります。
●自分がどんな香りが欲しいのかを探しやすくなる
●購入場所で「どんな香りがお好きですか?」などと質問された時も、表現しやすくアドバイスももらいやすくなる
●香りのTPOなどを考える時に判断材料になる
この分類は単独で使うばかりではありません。それぞれに組み合わせて、その香りの雰囲気を伝えます。
例えば「フローラル」と言い表すフレグランスもあれば、「フローラル・フルーティ」や「フローラル・ウッディ」などと表されるフレグランスもあります。
例えば、「フローラル・フルーティ」であれば、華やかな花の香りに少し甘酸っぱい香りがミックスされた感じかなと想像しやすいですし、「フローラル・ウッディ」であれば、甘い花の香りを少し渋めの香りで引き締めている感じかなと予測しやすいですよね。
この分類はそんなガイドとして使いましょう。それぞれの香りの例もあげてありますので、興味が湧いたら実際に香水売り場などで香ってみてください。
INDEX
クリックすると、香りの説明にリンクします。
フローラル/シトラス/フルーティ/グリーン/ウッディ/オゾン・アクア/スパイシー/オリエンタル/アロマティック/その他
<注意 1>説明文中に「甘い」「ジューシーな」という記述が出てくると思います。このような記述を見ると「女性専門」と思う人も多いのですが、下記の分類全てに「男性対象の香り」があります。
季節やTPO
画像をクリックすると、香りの説明にリンクします。
春・夏
(日中)軽やかさや涼しさ、清々しさなどが似合います。
(夕方~夜)暑い夜やリゾートパーティなどには少し甘く個性的な香りが似合います。
秋・冬
(日中)暖かみのあるイメージの花や果実、木や木の実などのイメージが似合います。
(夕方~夜)爽やかなシトラスやオゾン・アクア、グリーンは涼しすぎて少し合わないかもしれません。上にあげたノートのエッセンス濃度の高いもの(パルファム・オードパルファム)などを用いるのが向いています。
<注意 2>上の季節やTPOでの分類はあくまで目安にすぎません。例えば、「ウッディ」は秋冬に合うノートと一般的に言われますが、実際は春夏に合う「ウッディ」もあり、すべてのノートにそれは言えます。
しかし、春夏に合う「ウッディ」は爽やかな「シトラス」と組み合わせた「シトラスウッディ」であったり、どこか気候や季節を意識させるものがあります。それを気づきやすくするガイドともなりますので、ぜひ「ノート」はひととおり知っておきましょう。
フローラル
花系の香りの総称です。花を主の原材料とします。ローズ、ジャスミン、スズラン、オスマンサス(金木犀)などは、その名を冠したフレグランスも多いですが、多種類を組み合わせてさまざまなニュアンスを出したものもまた多いです。
例:(比較的女性向け)
ホワイトリリー(SHIRO)、レールデュタン(ニナリッチ)、バーバリー(バーバリー)
例:(比較的男性向け)
ディオールオム(ディオール)、ヴェルベット・ローズ&ウード(ジョーマローン)、ckエタニティフォーメン(カルバンクライン)
シトラス
柑橘系の香りの総称です。すっと心地よくなるような爽やかさをもたらしますが、若くてフレッシュな香りから、大人っぽい渋みのある香りまであります。
また、酸味や青みのイメージであるレモンやライム、ジューシーなグレープフルーツやオレンジ、甘い香りもあるマンダリンやユズやミカン、そして、アールグレイティーの香りでも有名なベルガモット、と4つに分類できます。
例:(比較的女性向け)
パープルウォーター(アスプレイ)、アスティエドヴィラット(アスティエドヴィラット)、
例:(比較的男性向け)
スティルライフインリオ(オルファクティブステューディオ)、ライム・バジル&マンダリン(ジョーマローン)、ck One(カルバンクライン)
フルーティ
甘くジューシーなイメージのフルーツの香りの総称。柑橘系が醸し出す爽やかな香気がある香りは別に「シトラス」(↑)と呼びます。
ベリー類やアップル、ザクロ、フィグ(イチジク)など、意外に多くの種類が使われています。
例:(比較的女性向け)
シニョリーナ(サルバトーレフェラガモ)、ブロッサム&ハニー(アスティエドヴィラット)、エタニティモメント(カルバンクライン)
例:(比較的男性向け)
ブラックベリー&ベイ(ジョーマローン)、ルミナス(ゴースト)
グリーン
竹や芝生、青葉などを連想させる清々しい香りです。草のはえる土の香りに近いものもあります。原材料では、「◯◯リーフ」と何かの葉っぱをさすものや、キューカンバー(きゅうり)などが用いられます。また土の香りで有名なのはガルバナムというセリ科の植物です。
例:(比較的女性向け)
No.19(シャネル)、パノラマ(オルファクティブステューディオ)、グリーンティ(エリザベスアーデン)
例:(比較的男性向け)
ナイルの庭(エルメス)、トゥルースフォーメン(カルバンクライン)、アメージンググリーン(コムデギャルソン)
ウッディ
樹木のような香りの総称です。原材料でよく使われるのは、シダーウッド、サイプレス、サンダルウッドがあります。白檀や沈香などの香木も入ります。
どちらかといえば、落ち着いた深みを加えたり、どこか甘さを抑えた香りが多いです。
例:(比較的女性向け)
ヒュイル(イソップ)、オードアディクション(アディクション)
例:(比較的男性向け)
ジェントルマンオンリー(ジバンシー)、サンダルウッド(オダウズ)、ワンダーウッド(コムデギャルソン)
オゾン/アクア
水しぶきを上げる滝、森林の霧など、心身を安らげるような透明感あるイメージの香りを指します。スイカやきゅうりのスーッとした香りと似ています。似た系列で「マリン」というのもありますが、こちらは海を感じさせる潮や海藻のニュアンスが入ったものです。
男女の別なく使いやすく、ナチュラルに感じる香りが多いので、日中などでも使いやすい香りの分類と言えます。ただし、クセのあるスパイスなどを組み合わせたものもありますので、よく香りを確かめて購入しましょう。
例:
ロードゥイッセイ(イッセイミヤケ)、アクアユニヴェルサリス(フランシスクルジャン)、ローセルジュルタンス(セルジュルタンス)
スパイシー
スパイスが際立つ香り、ただし、ピリッとしたペッパーや甘くエキゾチックな香りのカルダモン、アニスなど、スパイスでイメージもさまざまです。しかし、どちらかというと個性的なタイプが多く、日中よりも夜、仕事よりもオフタイムのイメージが多いのが「スパイシー」です。
例:(比較的女性向け)
マケラッシュインテンス(イソップ)、スパイスアンドティーズ(SHIRO)、ギルティ(グッチ)
例:(比較的男性向け)
タバコバニラ(トムフォード)、グッチバイグッチプールオム(グッチ)、ラニュイドロム(イブサンローラン)
オリエンタル
アジア大陸から中東にかけたエリアのイメージを指します。お香のような神秘的な香りやムスクなどの少し動物系が混じったような甘い香りがこれに当たります。この系統も個性的であり仕事よりはオフタイム、日中よりは夜のイメージの香りが比較的多いと言えるでしょう。
例:(比較的女性向け)
サムサラ(ゲラン)、シャリマー(ゲラン)、キャンディ(プラダ)
例:(比較的男性向け)
ノワールデノワール(トムフォード)、マラケッシュインテンス(イソップ)、ヒマラヤ(クリード)
アロマティック
ハーブの香りが際立つ香りの系統を言います。ミント、タイム、ローズマリー、レモングラス、タイムなど、甘さが少なく香り高いイメージの香りです。下にあげた香りはシトラスに分類されることもあります。
例:(比較的女性向け)
コロニア(アクアディパルマ)、アクアエッセンツィアーレ(サルバトーレフェラガモ)
例:(比較的男性向け)
クールウォーター(ダビドフ)
その他
シプレ
シトラスにオークモス(苔)やアンバー(甘い樹脂の香り)、ウッディーなどを組み合わせた香り。男性向けが多い。
フゼア
ラベンダー、オークモス、クマリン(バニラのような甘い香り)などで構成される香り。男性向けが多い。
ムスキー/ムスク
「ムスク」はもともとジャコウジカの分泌物からくる香りであり、動物的でセクシーなニュアンスや暖かみを加える。また加え方により石鹸のように香り立つこともあるる。現在は天然のものは禁じられているので合成のものがほとんど。
ムスクを前面に出した香りはセクシーなイメージで遊びの要素が強いが、ムスク自体は多くのフレグランスにアクセントやラストノートなどとしてある。
レザー
皮革を感じさせる渋い香り。革ジャンの匂いがわかりやすい。主に男性用フレグランスに用いられる。