マナーとはソーシャルインテリジェンス(社会的知性)の証です。

 

 

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マナー=キャリアを上げるビジネスパーソンとして当然の装備

 

 

確かな振る舞いを身につけておくことは、ビジネスパーソンとしては当然の装備です。成功やキャリアの伸びに比例して、人は「見られる」ことが多くなります。対外的な場に出ていくことは多くなります。そうすると、その場にふさわしい振る舞いは当然のように求められます。一定以上の役割やポジションにいる「上に立つ人」ほど、ちょっとした振る舞いで、その人の仕事の実力や人格もはかられるようになるのです。

 

「粗雑な印象を持っていたが、箸をきれいに使いこなすのを見て見直した」

「真面目で信頼できる人間と思ったが、食事の仕方にがっかりした」

「こんな礼儀も知らないようでは、まだ私たちの仲間に入れることはできない」

 

これは社会、特にビジネスでの人同士のふれあいの中で、実際によく聞く言葉です。このように、ちょっとした振る舞いや知識を「身につけた人」と「身につけていない人」では、さまざまな場面で隔てられます。

 

また、実力がある人ほど組織などの代表として公的な場に出向く機会が増えることは予想しやすいので、あなたが「どこに出ても恥ずかしくない」振る舞いを備えているかどうかは周囲の人にとっては何かと評価の対象になります。「どこに出しても恥ずかしくない」と周囲からも思われるようにしたいものです。

しかし、振る舞いというものは知識だけでは何ともなりません。身体の端々がそれなりに動いて様になってこその「確かな振る舞い」なのです。いざという時にあわてて覚えることは難しいため、身につけるなら、ひととおりの心得を理解する時間とどんどん実践していく時間が必要です。

 

 

ここで学ぶのは、そのひととおりの知識であるマナーです。

(詳しい区分ではマナーは食事や飲食パーティを中心とした作法を指し、それ以外はエチケット、と呼ぶという説もありますが、この中では公的な場所での振る舞いや対人間で気をつけるべき振る舞いを総称して「マナー」と呼ばせていただきます。)

挨拶、食事、紹介、パーティなどについて学び、マナーに自信がつけば、色々な場面で堂々とイニシアチブを取れるようになります。品格や洗練が、あなたが社会的に十分に成熟した知性の持ち主であることを自然に伝えるため、どんな人と接しても相手に安心を与えることができ、また信頼や尊敬を引き寄せます。それは「卓越した存在感」を発していくための必須要件であり、また、あなたの魅力を総仕上げしてくれる大事な最後のピースとなるのです。

 

 

 

人への「リスペクト」を表現できるようになること

 

 

「マナー」という言葉に、ひどく形式的で気取ったイメージやセレブが集まるきらびやかな場所で必要とされるもイメージを持つ人が多いことを感じます。それは誤ったイメージです。マナーは社会で通用するためには必要て当然持つべきスキルです。しかし、その誤ったイメージによって「いやな感じのもの」「自分には関係ないこと」と受け取っている人は、それなりにキャリアがある人の中にもいます。その考えを改めない限りは、これからのキャリアで信頼や尊敬を得ることは難しいでしょう。

ただし、ここで大事なことをお伝えしておきます。ただ表面的な形を覚えて上品な所作を行うことがマナーではありません。マナーの存在意義は「人に不快を与えないこと」とよく言われますが、もっとその先があります。それは相手に、そして自分がいる社会に「リスペクト」を表現することです。

どのような振る舞いも、最終的にはこの2つが目的になります。上に立つ人に常に要求されるのは高度な「社会的知性(Social Intelligence)」ですが、社会的知性の柱となるのは「他者を尊重できるかどうか(リスペクト感があるかどうか)」です。リスペクト感は、心の中にただ「ある」だけでは不足です。「ある」ということが伝わるように表現ができていなければなりません。

どんな振る舞いも「あなたを尊重している」「この社会を大事に考えている」と表現することを意識する必要があります。マナーとは「敬意表現」です。そして、表面の形を取得することでは、敬意を表現したいときに誰にでもわかりやすい行為を選べるということです。ですからマナーは非常に大切なコミュニケーションスキルとしても理解してください。

 

 

ここから内容を見ていくとき、下記のポイントには特に注意してください。

 

●対外的なマナーや振る舞いの元になる考えを理解する
●世界共通の振る舞いと日本独自の振る舞いの違いを理解する
●人のもてなしの基本の考え方を身につける

 

これにより、あなたはもう「存在感ある振る舞いが身についた人」として見られることになります。

「海外との感覚の違いが理解できて、出張で早速役立ちました」「気づかずマナー違反をしていた自分に気が付きました」「きれいな所作の人を観察していたら、なるほどこの内容のとおりだと思いました」

これらは、今回のテーマを学んだ方にいただいた感想です。