歩き方は重要なボディランゲージ。セオリーを頭に入れておけば、最速で身につけられます。ここで歩き方のセオリーを着実に理解してください。

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姿勢が悪ければ正しい歩き方はできない

 

ふだんの姿勢から一歩踏み出し動き出すのが『歩く」ということです。言うまでもありませんが、正しい姿勢ができないと、正しい歩き方もできません。最初はあらためて自分の姿勢に注意しながら正しい歩き方を身につけていってください

 

下記の姿勢ポイントには特に注意しましょう。

 

1 アゴはきれいに引いているか

2 首は前にでておらずまっすぐか

3 反り腰になっていないか

4 骨盤は立っているか

5 腹部に力は保てているか

6 ヒザは伸びているか

7 外側重心になっていないか

8 足先はカカトをつけてつま先を開いたときの角度か

 

歩き方に気を取られると、姿勢のことを忘れてしまうのは誰でもよくあることです。足ばかりに気を取られて、体の上のほうまで注意がいかなくなってしまうのです。最初はどうしてもそうなるので、1〜8のポイントは、ぜひ気をつけておいてください。

 

 

正しい歩き方

 

歩き方のセオリー

最初に「人間が歩く仕組み」を知っておきましょう。原理がわかれば、練習しやすくなります。

人間の歩き方は、このようになります。

 

1. 身体が傾く

2. かたほうの足の、腰からモモにかけての筋肉で、足を持ち上げる。

3. 持ち上げた足を前に伸ばし、カカトで着地する。

4. 着地した方の足に全体重が乗る

5  2からの動作をくりかえす

 

これだけでは、まだわかりにくいですね。詳しく説明していきますので、もし可能であれば、実際に身体を動かしながら理解していってください。

セオリーの詳細と実践

1. 身体が傾く

立っているところから想像してください。進もうとすると身体が傾きます。倒れないようにするには、足を踏ん張る必要がありますね。ではそうしましょう。

ここからは、わかりやすいよう、踏ん張る足を右足として説明します。

 

2. かたほうの足の、腰からモモにかけての筋肉で、足を持ち上げる。

まず、右足を持ち上げます。

腰からモモにかけての筋肉を引き上げるようにしてください。ヒザから下はそれにつられて持ち上がるようなイメージで動かしてください。そうすると、ヒザから下が自然についてきます。

 

3. 持ち上げた足を前に伸ばし、カカトで着地する。

持ち上がった右足を前に伸ばします。ヒザをまっすぐ伸ばします。

伸ばした足のカカトで着地します。ヒザは絶対に曲げないでください。この時、左足の前のほうに体重がまだかかっています。

4. 【最重要ポイント!】着地した方の足に全体重が乗る

左足にかかる体重がなくなっていきます。最後に左足の親指の下のふくらみで地面を押しましょう。これで右足の足の裏に全体重が乗る瞬間がきます。

ここまで右足のヒザは絶対に曲げないでください。

 

右足に全体重が乗るとき、正しい姿勢を保っていれば、スムーズに流れるような歩き方になります。

 

【最重要ポイント!】 ↓↓↓右足に全体重が乗った瞬間、正しい姿勢に左足が後ろに添えられているような格好になります。これは本当に一瞬のことですが歩いている最中に、一瞬でもこの格好ができることが、美しい歩き方のいちばん大事なポイントです。

 

5  2からの動作をくりかえす

あとは1からの繰り返しです。進もうとすると身体が傾きます。倒れないようにするために今度は左足の腰からモモにかけての筋肉で左足を持ち上げましょう。

 

持ち上がった左足を前に伸ばしカカトで着地します。ヒザを伸ばしておくのを忘れないでください。

 

 

最初におぼえておきたいこと

歩く仕組み

人間の歩く仕組みのメカニズムは、一方の足をまっすぐ支えにして、身体を移動させ、前に進むようになっています。一本の足が支えているときは、もう一方の足を大腿部から徐々に動かし、カカトで着地するときにソフトランディングできるようにします。

 

支えになる足がまっすぐ伸びていないと、体重がきれいに乗らず支えになりにくくなります。このときヒザがゆるんでいたり、曲がっていたりすると、安定感がない歩き方になります。また足を動かすときには足全体の筋肉を使わないと、ヒザやカカトに負担がかかる歩き方になります。

これらは身体の健康にかかわります。同時に「気弱で頼りなさそう」「どことなく不安定」「品がない」という印象まで生むのです。

 

きれいな歩き方のための「一瞬」


きれいな歩き方、かっこいい歩き方のための最重要ポイントを繰り返します。これは絶対に覚えておいてください。

それは、「正しい歩き方の」で言った、体重が親指の下のふくらみ(母指球)へ移動するとき、ちょうど地面についている足に全体重がかかる瞬間の姿勢です。その瞬間に、横から見てまっすぐに立った正しい姿勢であり、体重がのっていないほうの足が後ろに少し残っているような状態であることです。

歩いている最中に、この状態になるのは本当にほんの一瞬一瞬ですが、それでもこの瞬間があると、美しく、かっこいい歩き方になります。

 

いかがでしょうか。単純なようでいて、いざ実践しようと思うと、勝手がわからないことがあるかもしれません。 ここでは、歩き方の一連の動作とポイントを、まず知っていたくだくことが重要です。

歩き方は「身体の慣れ」ですが、セオリーを頭に入れておけば、身体の理解も早いのです。

私たちの脳や運動神経は、イメージトレーニングが得意です。日常でも、セオリーをイメージしながら歩いていると、いつの間にか勝手に正しい歩き方に近づくことがよくあります。

まずは一度、これに従い身体を動かして見ましょう。