「できるエグゼクティブ」の極意を身につけてください。ひとことで言うと、常にエネルギーの感じられる姿勢、場所によって洗練を感じさせる姿勢です。

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エネルギーを感じる姿勢と立ち方

 

良い姿勢について教わったことはありますか?  教えてくれた人に「頭の真ん中に糸がつけられ、 天から引っ張られるつもりで立つ」と 言われたことはありませんか?

それは正解です。

もちろん「正しい姿勢の作り方」で、立ち方のセオリーは前もって知っておいていただきたいですが、その反面、「正しい」だけでは、エグゼクティブ然とした雰囲気は出ません。

「できる」人は、エネルギーを感じさせると共に、洗練された雰囲気を醸し出します。そのようなエネルギーや洗練には「伸びやかさ」「力強さ」そして、立ち方ひとつでも「選択する意識」が必要なのです。

この回では、そんな「伸びやかさ」や「力強さ」を自分に加えるコツと、正しい立ち方以外の「かっこいい立ち方」についてお伝えします。

 

「上昇イメージ」と「気」の意識

 

毎日、生活する中では疲れが出て、身体が重くなり重心が下に下がってくることが誰にでもあります。その状態は側から見るとどこかエネルギーがなくキレがなく鈍い人のイメージです。そんなときこそ「頭の真ん中に糸がつけられ、天から引っ張られるつもりで立つと良い」ということを思い出してください。

アゴを弾き、頭を一段上に上げて、上昇気流の中にいるようなイメージで上へ身体を伸ばします。

このとき「気」を意識するすることもおすすめしたいです。「気」というと、難しく感じるかもしれませんが、空間に立ち込める自然のエネルギーのようなイメージを持つといいでしょう。気が大地から自分の足の裏を通って身体全体を通り抜け、心地よく頭のてっぺんに突き抜けていくような感覚を想像してください。

 

このような上昇イメージやエネルギーの感覚を持つことは、見た目とメンタル両方に非常に良い影響を与えます。ふだんから意識していただくことはもちろん、下記のようなときのリフレッシュ方法としてもおすすめします。

●疲労を感じるとき

●気分がふさぐとき

●不安や緊張を感じるとき

 

丹田

 

「正しい姿勢の作り方」でも言いましたが、姿勢では上半身を腹筋で支える感覚はポイントのひとつです。また、見た目の雰囲気でリーダーらしい力強さや責任感などを人に感じさせるのは、実はお腹の力が影響します。ふだん立っているときや人と話をするときなどは、お腹に軽く力を入れることを習慣としてください。

お腹の力、というときに忘れてはいけないのは「丹田」です。「丹田」とは、おへその下3cm〜5cmくらいにあるとされる、人体のエネルギーが集まる場所で「人体のパワースポット」と言われます。西洋医学的では存在は実証されておらず、あくまで精神的なものという扱いですが、東洋医学では重視されます。

一般にも、武道や気功また舞台芸術に関わる人などはよくご存知です。そのような方々は力を発揮するために大切にしている場所です。「丹田」の鍛錬は欠かせないものとされるのです。

つまり、「丹田」は、呼吸法はもちろん相手を気力で圧倒したり、声や話し方に強く関わるところでもあることは昔から一部でよく認識されているのです。

帝王学、リーダー学にはよく登場します。経営者の心得として「丹田を鍛えよ」という教えもよく耳にしますが、これにはもっともな理由があります。腹部は人間の体の中心にあって、内部には大切な臓器が集中した大事な部分だからです。

腹部は人間の根幹ともみられる場所であり、それだけ人間の本能の注意を引きつけます。ですから、しっかりと腹部に力を入れて上半身を支えている状態は、リーダーシップには意外に重要なことだと覚えておいてください。、特に丹田とされる部分にしっかりと力を保っていることは、その人間の人間的な安定感を周囲に伝えることなのです。

また、正しい姿勢や歩き方をしていると自ずと丹田あたりに力が入るものです。「丹田」を意識しましょう。

 

 

 

 

いかがでしょうか。上昇イメージと丹田はいずれも見た目に影響を与え、同時にメンタルにも作用する要素です。「あの人はどこか違う」と他人に感じさせる違いはこんなところにも隠れていることを覚えておいてください。

 

 

洗練されたイメージの使い分け

 

ここまで「正しい姿勢」と「「上に立つ人」らしさがわかる姿勢」をお伝えしました。姿勢に自信がついたら、今度は「洗練されて見える立ち方」を身につけましょう。

「正しさ」と「上に立つ人らしさ」が備わった状態でいるはずですから、今度は洗練されたイメージの立ち方を覚え、場所や場面によって使い分けられるようにしましょう。

それは「片足重心」と言います。「モデル立ち」ともよく呼ばれ、英語でもそのまま「Model posing」と呼ばれるそうです。男女関係なく、スマートに見える立ち方ですのでパーティなど、人に見られる場所ではこの立ち方を選択してください。

以下の方法で覚えてください。

 

1.  カカトをつけ、つま先を広げる(男性は10cm位、女性5cm位)

正しい姿勢でヒザはまっすぐ

 

2.  利き足だけに全体重を乗せる

(もういっぽうの足は地面から離せるようになるくらいに完全に力を抜く)

 

3.  力を抜いた方の足を利き足の前方につける

(利き足のほうは角度を少し開いて後方に引く)

 

 

やってみると簡単だと思います。

コツは「下半身を逆三角形に見せる」と意識すること。そして、前に来る足は、正面から見るとやや外側につま先が向いていることにも注意してください。

女性はひざを少し中に寄せるように倒すとエレガントさが増します。

 

 

 

「ポーズ」として考えた場合、バランスが均等な状態より、アンバランスな状態のほうが、実は「かっこいい」のです。ですから、両足に重心を均等にかけた立ち方は、安定感があっても、「洗練」「かっこよさ」のイメージにはなりにくいのです。

「片足重心」とは、重心を片足にかけて、もう一方の足を少し引く立ち方なので、アンバランスで洗練されたイメージになります。全体が逆三角形のようなシルエットとなり、全身がスッキリ見えます。モデルなど見られる仕事の人が人前に出たり、写真を撮られたりするときは、必ずこのような立ち方になっています。自分をかっこよく見せることを知っているのですね。

 

例えば、パーティなど人目が多いときや写真などを取られるときのためには「片足重心」と覚えておきましょう。 もちろん、洗練よりも力強さが大切なときは均等重心でもいいのです。大切なのは選択できること、使い分けられることです。

立ち方だけでなく、常に自分にふさわしい見せ方を選ぶことが、「上に立つ人」には必要な意識です。