目が持つ力をうまく使いこなすことで、人が人に与える魅力の度合い、伝えたいことを表現する力、影響力をもっと高めることが可能になります。  目力を上げ、目を効果的に使う方法を知りましょう。

 

 

AUDIO

 

 

MOVIE

(時間  06:47)

 

TEXT

 

「目」が果たす偉大な役割

 

「目」は人間の魅力·表現力·影響力に大きく関わります。目は脳に直結する臓器であり、唯一体外に露出した臓器であることが一番の特長です。そのため人間は他の人間とともにいるときには、本能的にその人の目に注意が向くのです。つまり「本能的に惹きつけられる」ということです。ですから、目の力が人の意識や感情へ大きな影響を及ぼすことは、自然なことです。

例えば、あなたは「誰か自分を見ている」という気配に、思わず振り返ったことはありませんか? 振り向いたら、本当に誰かと目が合ったという経験はありませんか?

直接見えていなくても気配で他人の視線が自分を向いていることを気取るくらい、私たちの神経は他者の視線に敏感です。

また、私たちは、相手の視線の様子やこちらをどんな風に見ているかによって何らかの印象をすぐに抱きます。例えば「自信がなさそう」「失礼な感じ」「あやしい」「堂々としている」などと、一瞬で好感や信頼の度合いを判断します。

つまり、人は自分でわかっているよりもずっと鋭敏に、他者の目が何を見ているか、どういう状態にあるかを察知しているということです。

目には、人間の本能が自動的に反応し、マインドに影響を及ぼすかなり大きな力があることがわかりますね。目はコミュニケーションの中で偉大な役割を果たすのです。目が持つ力を知り、その力をうまく使いこなすことで、人が人に与える魅力の度合い、伝えたいことを表現する力、影響力をもっと高めることが可能になります。    

 

「眼力(メヂカラ)」の高め方

 

「眼力(メヂカラ)」が欲しい、と思う人は多いと思います。 「眼力」の強さは、そのまま魅力、表現力、影響力を強めることになりますから、ベーシックな力は高めておきたいものです。その方法をご紹介します。

1.目をしっかりと開け、目元を表情豊かにする

「表情の3つのポイント」でもお話ししましたが、ふだんから目をしっかり開けておきます。普通の人はまぶたが自然にゆるんだ状態になっていることが多いので、目に少し緊張を持たせてください。目元が明るくなり、目立つようになります。

眼の周りの筋肉が滑らかに動き、目元が表情豊かな状態であることもポイントです。目元のエクササイズも定期的に行い、明るく豊かな目元の表情をキープしてください。  それが眼力になります。

 

2.相手を正面からまっすぐ見る

人を単にまっすぐ見つめることは、一見それほど難しくないように思えます。しかし、アゴの角度、姿勢、表情、そして自分のマインドの持ち方により、視線は微妙にゆがみ、まっすぐではなくなります。まず、アゴを引き、姿勢を正し、アルカイックスマイルを口元にたたえてください。そして相手を「礼儀正しい気持ちで堂々と」見るイメージを持ってください。

正しい礼節では、人と相対するときには常に自分の正面を相手に向ける所作を基本として覚えます。 これも合わせて覚えていただき、日頃から「相手を正面からまっすぐ見る」ことを練習しておいてください。このように人を見ることは、その人にある種のプレッシャーもかけることになります。それが眼力にもなるのです。

 

3.目を健康な状態にしておく

目がにごって不健康な状態であると、眼力は弱くなります。目が充血したり、目の周りの血行が悪く生気を失っている状態は、人の本能にとっては「不快・警戒」という反応を起こしやすくなる状態です。目の健康を大事にしてください。

例えば、ふだんから目薬などでケアしておく、目の周りの血行が気になったらマッサージをする、などです。良い睡眠をとることも重要です。

 

 

目の力を効果的に使うための3つの意識

 

目の力を効果的に使うには、「見るべきときに見る」「アイコンタクトをするべきときにする」ということがあります。 目の表情を使い分けたり、適切なアイコンタクトをすることで、眼力は増し、目が人の感情や反応に働きかける効果が強くなります。

人と一緒にいるとき、コミュニケーションをするときには常に自分の目の状態を意識してください。上で言ったように、「眼」の動きは生物としていちばん注意を引き付けられる部分ですので、ちょっとした差異で人があなたに抱く印象は変わり、感情も変化し、その結果としてその人の思考や行動も変わる高い可能性があります。

意識すべきは下記の3つです。より強い意識を目に向け、目の力を高めましょう。

 

●目は見開かれているか、それともまぶたがたるんだ状態か

●焦点を絞りごく狭い範囲を見ているか、それともぼんやりと広い範囲を見ているか

●今、どこを向いて何を見ているか

 

この3つの意識は何か正解があるのではありません。自分の目がどのような状態にあるかを意識し、できるだけ把握してほしいということです。それが今後、視線やアイコンタクトをコントロールし、自分の魅力を高めたり、相手の心理に働きかけることにつながるからです。

 

いかがでしょうか? 「目の力を高める」ということは、目が果たす偉大な役割を果たせるように、あなたの目がもともと持つ機能をしっかり使えるようにするということです。目力のベーシックな力を高め、自分がふだん目をどんな風に人に向けているか、より明確な意識を持つようにしてください。それだけでも、あなたの目が人に与える印象が強くなります。