ビジネス先進国の最先端エリートは、自分のグルーミングケアにはかなり手間や費用をかけます。それはどんな場面でも自分に自信を持ち常に優位でいるための当然の行為でもあります。
エリートが欠かさないケア
「身だしなみ」が非常に重要であることとその理由は、他の章でお伝えしました。人に不快を与えないケアはあなたの価値を正しく周囲に伝えるためには絶対に必要なことです。そして、そこからもう一歩、競争の激しいビジネス界のエリートが欠かさないケアがあります。
これらを取り入れることで、外見の印象も上がり、自信が増すでしょう。まだそこまで行けない、ここまでやるのは気が進まない、といういう気持ちを感じるものもあるかも知れませんが、今後の参考にしてください。ご紹介するのは下記です。
顔の保湿、ラインでの手入れ/口腔内ケア/フレグランス/眉/ネイル/美容皮膚科
顔の保湿、ラインでの手入れ
女性は十分手入れをしていることが多いので、この項目はあまり気にならないかも知れません。しかし、男性は十分にしている人はまだ半分くらいのようであり、しかも「ローションをバシャバシャつけるだけ」という方も多いようです。
見た目の「クラス感」(格が上の感じ、ワンランク上の感じ」は、肌ツヤがとても影響します。カサカサの手入れ不足の肌は、人の印象から余裕や品を奪います。また、保湿不足の肌は足りないものを補おうと、油分を多く表面に分泌する、という現象も報告されています。手入れが足りないと、自分で自分の肌をわざわざ「脂っぽい肌」にしてしまうかも知れません。
今現在、あまり肌の保湿に気を遣っていない、という人は、洗顔料、ローション、クリームくらいは揃えて使ってください。自分の肌質に合った質の良いライン(製品シリーズ)を研究するか、いちど美容のプロか販売員に相談して揃えることをお勧めします。あまり安易な製品を使わず、自分が満足感を持てるような品質のもののほうがセルフイメージが上がります。
なお、唇のカサカサ感も、印象を非常に悪くします。乾燥しやすい方はリップバームやリップクリームをこまめに使ってください。
POINT
●顔の保湿を十分にして「クラス感」を出す
●質の良いラインを揃えてセルフイメージも上げる
●唇のケアにも注意<
口腔内ケア
口腔内ケアも重視したいポイントです。口元は表情も大事ですが、歯の状態は想像以上に外見の印象を左右するからです。
また、歯磨きなどを日常的にきちんとしているつもりでも口腔内は加齢とともに変化します。歯が黄変し、衛生状態もどうしても悪くなりがちですので、年齢に合ったケアを意識する必要があるのです。
そういったケアをおろそかにすると、虫歯や歯周病などの病変が起こりがちで、それが変色や口臭などの元になります。自分では気がつかないうちに誰からも嫌われがちな印象をもたらす恐れがあるのです。
そのため、できるエグゼクティブは定期的なメンテナンスのためにかかりつけの歯科に行くことがほとんどです。そこで、口腔内の健康状態のチェック、クリーニング、また必要に応じてホワイトニングなどを行います。さらに見た目を気にする人は、できる時に矯正なども行います。
いずれにしても、ある程度年齢を重ね、人前に出るような立場になったら、歯科を「調子が悪くなったので行くところ」ではなく「定期的に通うところ」としてとらえて良さそうです。
フレグランス
フレグランス、つまり香水です。日本人は、自分で体臭が少ないと思う人が多いのですが、体臭がない人はいません。肌を清潔に保てば十分、という考え方の人もいますが、石けんや素肌の匂いだけでは、子供っぽい印象が拭えません。大人の身だしなみの一環として、フレグランスの利用をお勧めします。
とはいえ、日本は湿度が高い気候ですし、全体的に香りの好みが淡白です。国内で、しかもビジネスシーンでつける場合は、ほのかに香る程度に気をつけるのが嗜みになるでしょう。
そのような付け方をするのには、原材料を天然にこだわるなど質の高いフレグランスを控えめにつけることが向いています。天然香料に限ったフレグランスは比較的高価ですが、それだけに「クラス感」の演出には最適と言えます。
POINT
●身だしなみの一環としてフレグランスを利用する
●日本のビジネスシーンでつける場合はほのかに香る程度
●質の高いフレグランスは高価だが「クラス感」の演出には最適
ボーナストラック「エグゼクティブのためのフレグランス講座」
眉
眉は半ミリ違うだけでも顔立ちや表情を変えてしまう、顔のパーツです。しかし、残念なことに、眉で顔の印象に大きく損をしているケースは少なくありません。
眉は年齢を重ねていくごとに眉尻のほうが薄くなってしまいます。男性に多いのですが、そのまま放置している方は非常にもったいない印象になっています。どうしても表情が弛緩して見えますし、スーツに似合う整った顔つきにどうしてもなりません。そろそろ、眉を積極的に整え始めてもいいのではないでしょうか。最近では、男性対象のメイク製品が販売されているので、男性用のアイブロー(眉墨のこと)も使えます。また、アイブローを整えてくれるサロンの利用も考えましょう。
女性はメイクで整えている方が多いですが、もう少しテクニックが必要だと思える方は相当数います。テクニックとは、ご自身の顔立ちを活かす角度や長さについての知識と、眉頭や眉尻をきれいにぼかした自然な眉にする技術です。いちどご自身の技術を見直してみてはいかがでしょうか。この技術が長けていると、魅力が最大限引き出され、知的でノーブルな印象が加わります。最近は指導をしてくれる美容の専門家も増えていますので、そのような専門家の利用もいいでしょう。
もっとラクがしたい、と思う方は「アートメイク」という手段があります。アートメイクは皮膚下に染料を入れることで、メイク効果を持続させる施術で、いわゆるイレズミのようなものです。毎日の洗顔では落ちず、メイク効果が数年もちます。近年では技術力が上がり、医療系のサロンも増えたことから、安全に立体的でより自然な眉が描けるようになりました。エグゼクティブ層にも利用が増えつつあります。ただし、当然リスクもありますので、慎重な検討が必要です。
POINT
●眉は半ミリ違うだけでも顔立ちや表情を変えてしまう
●男性は眉を積極的に整え始めたい(男性コスメ、アイブローサロン)
●女性はテクニックを見直したい(角度、長さ、描き方)
●アートメイクはエグゼクティブの利用が増えているが、リスクに慎重に
ネイル
ここで言うネイルは、ベーシック・ケアを指します。男女問わずお勧めしたいケアで、エグゼクティブクラスの人にはマストと言っていいでしょう。
米国のエグゼクティブなどはすでに1980年代頃から多くの人が日常の身だしなみに取り入れています。その理由は、やはり爪が整っていると見た目の「クラス感」がぐっと上がること、そしてこれもセルフイメージを向上させます。爪先まで手入れされていることにより自然に自信が生まれ、手元を人に預ける時間の満足感が知らず知らずグレードアップした自身を認識させてくれるからです。
ベーシック・ケアは通常、<形整え→甘皮の手入れ→表面磨き>の内容で行われます。サロンを利用したほうがきれいに手入れできます。良心的なネイルサロンでは必ずメニューにあります。頻度は1〜2ヶ月に一度くらいを目安にすればいいでしょう。
爪の磨き具合は、女性は光るくらいで良いですが、男性はハーフマット(半分くらいのツヤ出し)がビジネスに適切なイメージになります。
POINT
●ネイルのベーシックケアは男女問わずエグゼクティブにはマスト
●見た目のクラス感を上げ、セルフイメージも向上させる
●爪の磨き具合は女性は光るくらい、男性はハーフマット
美容皮膚科
美容皮膚科は、シミやシワ、皮膚のたるみの改善、一言で言えば「アンチエイジング」で使われます。美容レーザーを使った施術や肌質改善のサプリメントがよく利用されているようです。
海外のエグゼクティブは見た目のマネジメントとして、男女ともそれほど抵抗なく取り入れています。日本でも以前から、アンチエイジングが得意な美容皮膚科クリニックは企業経営者層を中心に見えないビジネスコネクションを築くくらいに利用は盛んです。
そして、利用者の裾野は確実に広がってきています。ビデオ会議が一般的になって画面で自分の顔を頻繁に確認するようになったこともあり、30代から40代を中心に利用が急増したようです。これからはさらに美容皮膚科の利用が一般的になる可能性があります。
POINT
●美容皮膚科はアンチエイジングで使われる
●海外のエグゼクティブ層の利用は一般的
●利用は確実に広がっている