「人の魅力」は、もちろん外見だけのことではありません。特に長期に人に働きかける魅力は、その人の他者への接し方にあります。キーワードは「賢者のコミュニケーション」です。
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賢者のコミュニケーション
賢者のコミュニケーションがあなたの武器になる
「賢者のコミュニケーション」とは卓越したコミュニケーション力です。それは、人の心の理解と洞察力、そして基本的な知識とスキルの習熟で培われるものです。
あなたはこんなことを感じたことはありませんか? なぜ、あの人は人の説得がうまいのか? なぜ、あの人の説明はすんなりと腹落ちするのか? なぜ、あの人の言うことは聞きたくなるのか?
その理由は「言葉での説明がうまいから」「論理的だから」というだけではありません。その人が「賢者のコミュニケーション」というスキルやテクニックを身につけ、使いこなしているからです。
心理のスキルやテクニック、というと、何か狡猾なだましかたのようなイメージを持つ人もいるかもしれません。
しかし本当の心理的なスキルやテクニックとは、人の心を重んじ、人の心を自然に開かせる、思いやりをベースとしたものなのです。
「コミュニケーション」に関する知識やスキルの世界は広大で深淵ですが、社会での円滑なコミュニケーションについては「絶対にこれだけは身につけておきたい」という基本的な知識とスキルがあれば、十分な武器になります。身につけておくだけで、商談、上司とのやり取り、部下への指示指導などビジネスシーンのあらゆる場面での対応力がつくでしょう。
また、コミュニケーションが大事なのはビジネス上だけではありません。 家族、友人、他のコミュニティなど、人が二人以上いればコミュニケーションが必要になりますので、人生におけるあらゆる場面で私たちは自分のコミュニケーション能力を試されます。
ぜひ「賢者のコミュニケーション」を身につけ、あらゆる場面で役立たせてください。
賢者のコミュニケーションを身につける前に
実際のスキルを見ていく前に、まず「コミュニケーションは言葉によるものだけではない」ということをあらためて認識しておきましょう。 人の上に立つなら、言葉だけが人に何かを伝える手段だと思うのは危険であることをよく理解しておいてください。
言葉によらないコミュニケーションは「非言語コミュニケーション」と呼ばれます。非言語コミュニケーションの要素は表情や視線、声や話し方、動作や態度全般です。
この非言語コミュニケーションが人間同士のコミュニケーションにおいて人に与える影響はかなり大きいのは、聞いたことがあるでしょう。(今まで見ていただいたコンテンツでは何度もお伝えしたかと思います。)人間は自分では意識しなくても、表情や視線、動作、ちょっとした手足の位置など人は聴覚だけでなく、視覚、触覚、嗅覚などあらゆる五感を駆使して外界の情報を取り入れ、それを元に意識、無意識で反応・判断します。現代においては、表情や視線、声や話し方、動作や態度全般などは言葉を補助する役割となりますが、そのような非言語要素と言葉がいったん矛盾を起こした時に人間が信じるのは非言語要素のほうであるとの研究結果が出ています。
ですから、相手にどう受け取られるか、相手がどう理解するか、がコミュニケーションの重要ポイントですから、自分の言った言葉がそのまま伝わると思うのは危険です。言葉と同じくらい大事にしたいのが相手の五感に届く情報です。自分の非言語コミュニケーション要素についてはことさらに神経を行き届かせ、コントロールすることが重要です。
また、それ以前に人があなたとのコミュニケーションを受容する気持ちになるよう、感じがよく公平な様子でなければなりません。例えば、以下のような様子である人は円滑なコミュニケーションは期待できません。周囲からは無意識の反発や拒否が起こり得るからです。
・身だしなみが悪い
・表情が暗かったり怒っているように見える
・ぶっきらぼうである、失礼な態度である
・冷静になれず自分の感情に巻き込まれがち
・自分の言いたいことばかりに集中して人の話を聞かない
・自分が思った通りに相手が思うと勝手に考えている
・これを言ったら、こう反応するのが普通だ、常識だ、という思い込みやかたくなな態度
これらが自分に関係ないと思わないでください。人間はよほどできている人物でない限り、どこかしらこうである部分を持っているものなのです。また実際にそうでなくても、そう見えることだってよくあります。
「自分は大丈夫。できている」のようなある意味での「慢心」が公平で客観的な態度を最も妨げます。気をつけているけど、もしかしたらそう見えるかも、そう受け取られる可能性もあるかも、と自分の普段の在り方を折に触れて見直してみてください。
その上で、必要な技能を磨いていっていただきたいのです。
卓越したコミュニケーションを可能にする3つの技能
「コミュニケーションが上手い人」とは、その人が伝えたいことをわかりやすく伝えられる人であり、他者がその人に伝えたいことをより円滑に深く理解できる人です。ですから、話し上手であってもたちまち「コミュニケーション上手」とはなりません。
コミュニケーションが上手い人には下記の3つの点が共通しています。この3つは、コミュニケーションを磨こうとするとき、必須の技能となります。
相手に受け入れやすい印象・態度・話し方ができること。逆を言えば、それらができなければ、相手にいたずらに不安や反発を起こさせ、円滑なコミュニケーションは難しいでしょう。
2)俯瞰的な視点が持てる
人間同士は相互に反応しながらコミュニケーションをしています。卓越したコミュニケーターは相手を見つつ適切な言葉や行動を選ぼうとします。相手と真摯に向き合いながらも、どこかで冷静に客観的に相互のやり取りを見ることができる視点があるのです。これは極めて大切なポイントです。
3)判断材料を多く持つ
卓越したコミュニケーターは相手の反応や状況を踏まえ、相手が理解しやすい伝え方(順序、言葉、行動)が選べますが、それは判断材料をしっかり持っているからです。人の心理や相手のパーソナリティタイプなどの知識が良い判断材料となります。
いかがでしょうか。人生はコミュニケーションの巧拙次第…という人がいます。人としての魅力を持ち、望んだことが叶いやすい状況にできるのはコミュニケーションの力によるところが大きいのです。ぜひ人の心の理解と洞察力、そしてコミュニケーションの基本的な知識とスキルをここから磨いていってください。