基本のフレームを組み合わせてさらに理路整然とした話し方を考えてみましょう。
(このページはテキストのみです)


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SDSとPREPがあれば十分、というか完璧

 

この前のページでは、「フレーム」についてお話しました。

「フレーム」は、聴き手に内容が伝わりやすい話の内容の構成/枠組みです。言いたいことをダラダラと話すだけでは、聞いている人に何も伝わりません。言いたいことを整理し「わかりやすい形」にして伝えることが必要です。その「わかりやすい形」として編み出され、多くの人に使われているのが「フレーム」です。

 

その中でも基本中の基本が「SDS(エス・ディー・エス)法」「PREP(プレップ)法」でした。

どちらもよく知られたものですから、前回の内容はすでに知っていたと感じた方もいるでしょう。ただ、この2つは十分によく知っておく必要があります。多くのプレゼンテーションの名手が言うのは「プレゼンテーションに関してはSDSとPREPが完全に使いこなせていれば十分、というか完璧」ということです。

この2つのフレームをさらにしっかり身につけるため、柔軟な応用を考えていきましょう。

 

まず、2つのフレームの簡単なおさらいをします。


SDS法

1.Summary 概要と結論を伝える

2.Details  詳細を説明する

3.Summary 全体のまとめをする

 


PREP法

1.Point 結論・要点を述べる「○○は△△である」

2.Reason  1の理由を伝える

3.Example 2を事例や具体例で説明する

4.Point もういちど結論・要点を伝える


 

2つのフレームを使った3つのエクササイズ

 

 

ここから上の2つのフレームを使った3つのエクササイズをしていきます。

このエクササイズで理路整然とした話し方を自分のものにしましょう。なお、これらのエクササイズはフレームを使う感覚を磨くためのものであるため、あまり細部にこだわらず、5~6分くらいでぱっと作ってみてください。

 

1.SDSエクササイズ

 

下記のテーマをSDS法で語ってください。頭の中で想像するだけの「想像プレゼン」で結構です。

テーマ:「自分が仕事をする上で大事にしていること」

 

下記の話し方を例にして構成してみてください。

 

Summary(概要)

 

私が仕事をする上で大事にしていることがあります。特に大事だと思うことを3つ上げたいと思います。

 

 

Detail(詳細=ポイントと補足説明や理由)

 

(トピック1)

まず〇〇ということです。

  どうしてかというと、〇〇だと思うからです。

(トピック2)

次に〇〇ということです。

これは、〇〇だと思うからです。

(トピック3)

そして〇〇です。

〇〇だからです。

 

 

Summmary(全体まとめ)

 

以上、私が仕事の上で大事にしていることとして

(トピック1)、

(トピック2)、

(トピック3)

という3つを上げさせていただきました。

 

以上

 

いかがでしょうか?

内容をブラッシュアップするために、実際に自分で作った内容の次の点をチェックしてみてください。

 

●「details」の中にはあなたが伝えたいキーワードが入っているか

●「details」それぞれは似通っておらず、別のポイントとしてきれいに分かれているか

●「details」の補足説明や理由はシンプルにまとまっているか

 

2.PREPエクササイズ

 

上と同じように「想像プレゼン」で、下記のテーマをPREP法で語ってください。

「自分が仕事をする上で大事にしていること」

 

下記の話し方を例にして構成してみてください。

 

Point(要点)私が仕事をする上で大事にしていることは〇〇です。

(例)

私が仕事をする上で大事にしていることは「分析や論理も大事にするが、自分のカンや感情を無視しない」ということです。

 

 

Reason(理由)なぜ〇〇を大事にしているかというと、~という理由からです。

(例)

なぜ、カンや感覚を大事にしているかというと、物事には論理だけで測れないものがあるとともに、感覚や感情は時に大きな発見をさせてくれるものだからです。

 

 

Example(具体例=実際の体験、有名な人の話や歴史上の逸話など)自分が新人のときに上司から〇〇を教わり、おかげで何度も苦難を乗り越えられた…、(有名な人)は〇〇はこういった (など)

(例)

あるプロジェクトの計画は理論的に完璧でしたが、自分をはじめ何人かは違和感を感じて反対していました。予想に反した悪い結果となったとき、違和感を感じた理由がわかりました。あのときもっと自分のカンを信じていれば間違いは回避できたかもしれません。

有名な脳機能科学者は、人間のカンに対してこんなことを言っています・・・

 

 

POINT(要点)ですから、私が仕事をする上で〇〇を大事にすることにしているのです。

(例)

ですから、私は仕事をする上で、論理や分析も大事にするが、自分の心や感覚にきいてみる、感覚を大事にするということも忘れないようにしているのです。

 

以上

 

いかがでしょうか。

スムーズに「脳内プレゼンテーション」はできましたか?

実際にプレゼンするときは、「Reason」の理由の理論構成や「Example」の適切さなどを真剣に考えなければいけませんが、それを気にしなければすぐに作れると思います。

論理的に説明するためのトレーニングとして、毎日簡単なテーマでSDSやPREP構成を作るような研修をしている企業もあります。あなたもぜひ練習を続けて、話し方を磨いてください。

 

 

最後は、これができればプレゼンの骨子作りはOK,という両方合わせた構成でのエクササイズです。

 


3.SDS & PREP エクササイズ

 

大きなフレームをSDSにし、SDSのDetailsの各トピックをPREPで説明する方法です。このような構成にすると、非常にしっかりした枠組みの説明になり、聴き手に対する説得力を上げることができます。

 

「SDS & PREP」法とは

 

「SDS & PREP」法とは、全体の流れはSDSで構成し、中のDetail(詳細)を説明する部分をPREPで構成する話し方です。

以下がその流れです。

 

(全体の構成はSDS

1.Summary 概要と結論を伝える

2.Detail  詳細を説明する

(トピック1)(構成はPREP

1.Point 結論・要点を述べる「○○は△△である」

2.Reason  1の理由を伝える

3.Example 2を事例や具体例で説明する

4.Point もういちど結論・要点を伝える

  (トピック2)(構成はPREP)

1.Point 結論・要点を述べる「○○は△△である」

2.Reason  1の理由を伝える

3.Example 2を事例や具体例で説明する

4.Point もういちど結論・要点を伝える

  (トピック3)(構成はPREP)

1.Point 結論・要点を述べる「○○は△△である」

2.Reason  1の理由を伝える

3.Example 2を事例や具体例で説明する

4.Point もういちど結論・要点を伝える

3.Summary 全体のまとめをする

 

 

「SDS & PREP法」の構成、おわかりになりましたか?これを使い、1、2のエクササイズと同じテーマを話してみましょう。

 

「自分が仕事をする上で大事にしていること」

 

SDS & PREP で説明する

Summary (概要)

私が仕事をする上で大事にしていることがあります。特に大事だと思うことを3つ上げたいと思います。

Detail(詳細)=ポイントと補足説明や理由)

(トピック1)

Point(要点)

私が仕事をする上で大事にしていることは〇〇です。

まず大事にしているのは、「分析や論理も大事にするが、自分のカンや感情を無視しない」ということです。

Reason(理由)

なぜ〇〇を大事にしているかというと、~という理由からです。

その理由は、物事には論理だけで測れないものがあるとともに、感覚や感情は時に大きな発見をさせてくれるものだからです。

Example(具体例=実際の体験、有名な人の話や歴史上の逸話など)

自分が新人のときに上司から〇〇を教わり、おかげで何度も苦難を乗り越えられた…、(有名な人)は〇〇はこういった (など)

あるプロジェクトの計画は理論的に完璧でしたが、自分をはじめ何人かは違和感を感じて反対していました。予想に反した悪い結果となったとき、違和感を感じた理由がわかりました。あのときもっと自分のかんを信じていれば間違いは回避できたかもしれません。

有名な脳機能科学者は、人間のカンに対してこんなことを言っているんですよね・・・

 

POINT(要点)

ですから、私が仕事をする上で〇〇を大事にすることにしているのです。

ですから、論理や分析も大事にするが、自分の心や感覚にきいてみる、感覚を大事にするということ忘れない、というのがまず大事なんです。

ー続いて同じ構成で説明しますー

トピック2) 次に〇〇ということです。・・・・・

(トピック3) そして〇〇です・・・・・・・

 

 

Summmary(全体まとめ)

 

 

以上、私が仕事の上で大事にしていることとして(トピック1)、(トピック2)、(トピック3)という3つをご説明しました。

 

 

 


 

 

 

いかがでしょうか。

今回は「理路整然とした話し方」を培う、3つのエクササイズ「SDS エクササイズ」「PREP エクササイズ」 「SDS & PREP エクササイズ」という方法をご説明しました。

最後は少し面倒と感じたかもしれませんが、こういったエクササイズの時だけでもきちんとセオリーどおりにやってみると、本番での話し方が向上します。また、今回のエクササイズで前回からさらに「フレーム」の応用力が上がったのではないでしょうか。

これらのエクササイズは社内などでの話し方研修にも使えます。ぜひご活用ください。