最後に簡単なクイズで、「ソーシャルスタイル」の理解度を試してみましょう

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 理解から応用へ

 

ここまで、「表象システム」と「ソーシャルスタイル」で人の傾向を知り、それをコミュニケーションや仕事の場面で応用する方法を学んできました。「表象システム」は判別もしやすいですが、「ソーシャルスタイル」は、完全に使いこなすには、まだ少し難しく感じているかもしれません。しかし、ここでがんばって内容をつかんでくだされば、日常の人間関係、チームビルディング、人の指導、交渉、営業などさまざまな場面で応用でき、説得力や影響力を高めるためにも役立ちます。 最後に簡単なクイズで答えを考えてみて、さらに理解を進めてください。

 

Q1.

 

あるプロジェクトの会議があっています。計画案の候補がA・B・Cと3つあり、どれを選ぼうかと話し合っています。

ここで発言したWさん、Xさん、Yさん、Zさん、それぞれ「アナリティカル」「ドライバー」「アミアブル」「エクスプレッシブ」とタイプがバラバラです。 どの人がどのタイプでしょうか? その理由も考えてください。

 

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【答え】

Wさん=ドライバー

Xさん=アナリティカル

Yさん=エクスプレッシブ

Zさん=アミアブル

【理由】

wさんは、「○○の点でBとCにそう違いはない」と判断をする上でのポイントをすでに他の3名に比べてかなり絞り込んでいることがわかる発言をしています。さっさと決めるために検討を済ませているスピードの速さは「ドライバー」の特徴です。即断即決ですね。

Xさんは、「詳細に比較検討」という言葉を使っています。手に入れられる情報をすべて手に入れてから全体を検討したい、という「アナリティカル」らしい欲求が出ています。決める前にとにかくじっくり分析したいのです。

Yさんは、「先の時代」「感覚的にはまる」「キラリと光る」と理論ではなく感覚であることを強調しています。感覚的に納得すれば、それが理由になるというところに「エクスプレッシブ」の特徴がよく出ています。

Zさんは「現場の意見」「多部署とのすり合わせ」などと言っていて、何かを決めるにはできるだけ他の人の意見を集めて検討したい「アミアブル」らしい意向が出ています。また「意見をまとめる」という言葉には、自分の主張より調和を優先する傾向も表れています。

 

 


Q2.

 

あなたなりの答えを考えてみてください。

もし仕事を与えるとしたら、アナリティカル、ドライバー、アミアブル、エクスプレッシブの各タイプにはそれぞれどんな内容の仕事に向いていると思いますか?

また不向きな業務は何でしょうか?

 

 

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【答え】

アナリティカル:経理、税理士 システム管理など (苦手は営業、新規開拓など)

ドライバー:経営者、営業、プロジェクトリーダーなど(苦手は 管理部門など)

アミアブル:人事、総務、教育 など (苦手は独立性の仕事、セールスなど)

エクスプレッシブ:広告・宣伝、新規事業、情報収集 など (苦手は 経理、総務 など)

【考え方】

アナリティカル=向いているのは「分析」「研究」「同じ状態を完璧に維持する」などです。例えば、経理、システム、などの部門や、会計士や税理士などの正確な数字が要求される仕事などが考えられます。またファイリングやメンテナンスを淡々とこなすような情報管理関連も向いています。会社の創業期などに会社全体の業務フローや管理システムの構築などは非常に得意です。

向かないのは、人としじゅう接することが役目のサービス業や、営業、新規開拓などの仕事です。ただどの仕事でも「システマティックに進める」「効果的なやり方を考えてマニュアル化する」ことには力を発揮します。

 

ドライバー=ドライバーは、表に立つ仕事や数字などの目標に向かって達成を目指すことが得意ですので、経営者、営業、市場開拓は非常に向いています。弁護士などの折衝が多い士業も向きます。起業家としてエネルギッシュに活動することができます。

向かないのは、黒子に徹する仕事や人を細かくケアする仕事です。またずっと色々な課題や情報を分析するような運営管理も不得意です。しかし、どの仕事でも変化のない仕事を合理的に刷新したり、人のやる気を鼓舞することができます。

 

アミアブル=アミアブルは、「人のため」「人と一緒に」する仕事で能力を発揮します。人材育成や人のケア、人のために行う施設などのメンテナンスは最も向いているので、人事・総務部門などは向いています。アシスタント的な業務、人と接するサービス業務も、相手が喜ぶことを自然にできるので向いています。

逆に向かないのは、人との接点があまりない仕事やチームではなく単独でする仕事です。独立採算制が要求されるセールスなどは荷が重く感じます。ただ、どこでも人と関わろうとする姿勢で円滑な人間関係を築きやすい、という特色が発揮できます。

 

エクスプレッシブ=エクスプレッシブが向いているのは、クリエイター的な仕事や、発想や行動がものを言う仕事です。仮設部門でトライアルの事業を立ち上げる際のメンバーや、広告・宣伝を行う部門で力を発揮します。また情報収集が必要な企画、各関係先の橋渡しをする役なども向いています。

向かないのは、同じことを継続して行うことです。経理や人事、総務などの管理部門などはモチベーションが維持しにくいことがあります。新しい発想にすぐ刺激されるので、目標達成に向かって一点集中するプロジェクトリーダーなどが苦手な場合があります。しかし、いつのまにか各部門の連携をとったり、情報通になって、色々な役回りを任されたりするのはこのタイプです。

 

 


Q3.

「褒めること」は重要なコミュニケーションスキルと前にお伝えしましたが、それぞれのタイプが評価されると喜ぶポイントはどんなところだと思いますか?

(相手にあった褒め方ができると、あなたの影響力は強くなります。よく考えてみてください)

 

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【答え】

・アナリティカル:「能力が高い」「完璧な仕事の仕方」など

・ドライバー:「あなたが動かしている」「結果が出ている」など

・アミアブル:「皆に信頼されている」「頼られている」など

・エクスプレッシブ:「すごく面白い視点だ」「さすが新しい」など

【考え方】

「褒められたいポイント」は「その人が持っている理想や価値観」です。 また「結果」を評価して欲しいか、「プロセス」を評価して欲しいかも現れます。

 

アナリティカル=自分の専門分野で高い能力を示し、要求される以上の仕事をやることが理想です。やり遂げた結果以上に、そこに至るまでの自分のやり方、考え方を認めて欲しいのです。

 

ドライバー=自分が重要な役割を担って状況をコントロールし、常に結果を出していることが理想です。それが認められ、出した結果を賞賛されることを望みます。

 

アミアブル=人から常に必要とされているということが理想です。愛され、頼られることを欲し、またそれを認められると喜びを感じます。

 

エクスプレッシブ=ユニークであること、新しいこと、創造的であることが自分にとっての価値で、自分自身もそのような存在であると認められるのが当然だと感じます。

 

 

 

 

 

タイプが違えば価値観も違う

 

 

最後はクイズでソーシャルスタイル各タイプの特徴を確認していただきました。

最初にもお伝えしましたが、この章の目的は、他人と自分との違いを具体的に知っていただくことです。そのため前半では「VAK」もご説明しました。  五感の使い方にはクセがあり、そのクセによって性質にも違いが生まれるということを興味深く感じていただけたのではないかと思います。

人の外界からの情報の捉え方とそれを反応や行動、記憶などにアウトプットしていくシステムは幼少の頃に大部分が形成され、その後にその人独自の経験を重ねながら有機的に進化します。その結果、人はそれぞれモチベーションを感じるものが違えば、「ここを認められたい」というポイントも違うことを頭に入れてください。それが人それぞれの「価値観」の違いなのです。 相手の価値観はどこにあるのか?ということに常に関心を持ってください。相手の価値観を尊重できることが、あなたのコミュニケーションだけでなく人間性を豊かにする鍵です。

 

パーソナリティタイプと気付きを記録しておきましょう

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