スーツの着こなし20のポイント

これでスーツはあなたの味方になる

 

服が生まれたのは羞恥心が芽生え、肌や身体を守ることを考え始めた人類の裸を隠すためでした。社会が高度化するにつれて、衣服はそれ以外に多くの目的や役割を持つようになりました。

例えば「着る人の経済状況を表す」、「着る人の知性やセンスを表す」、「着る人の社会的成熟性を表す」など。つまりどのような生活をし、どんな知的能力を持ち、どれだけ”大人”であるのか、着ているものを見れば一目瞭然なのです。

それだけではありません。「着る人が場所や場面に対して持つ思いを表す」、「着る人が周囲や場所に対して持つ尊敬度を表す」など。つまり、どのようなつもりでそこにいて、どの程度周りにリスペクトを感じているかも、着ているものでわかるのです。

まして、スーツを着てのぞむような場所では、その着こなし、コーディネート、選んだアイテムなどで、あなたの「中身」はしっかり相手に伝わります。間違ったイメージで伝われば、あなたの能力や信頼度、人間性まで疑われる恐れだあります。決して大げさではありません。

しかし逆を言えば、着こなし、コーディネート、選んだアイテムがその場面にふさわしいものであれば、スーツはあなたに対する周囲の信頼を得やすくし、評価を自然に上げることまでしてくれる味方になるのです。

「この場面には何を選ぶべきか?」真剣に考え、適切な答えを出すのはビジネスの一環なのです。少なくてもここまでのポイントはぜひ気をつけて下さい。それだけでもスーツはあなたの味方になります。

 

 

例えば、こんな場面ではこんなことに気をつけて

 

ビジネスにはさまざまな場面があり、どれも気をつけたいものですが、特によくある大切な場面の注意ポイントを説明します。

 

初対面では、「適度な距離感」と「相手へのリスペクト感」を第一義に考えた方がよいでしょう。ここで、カジュアルさや派手さを出すと、相手から見ればいきなり距離を詰められたり、あなたのビジネスに対する姿勢を怪しく思ったりしかねません。

ですから、少々硬く見えても、ビジネスフォーマルに近い感覚のコーディネートで臨むことをおすすめします。

 

パワープレゼンでは「存在感」を演出したいものです。その存在感が「熱意」であれば、ネクタイは暖色系、特に赤やオレンジなどが配されたものが伝えやすいでしょう。また「知的さ」や「クリエイティビティ」を出したいならブルーやネイビーを効かせた、潔さがありながら「計算された」と見えるようなVゾーンを作りたいものです。

それでも、「誠実さ」は失いたくないので、基本はダークスーツ、しっかりとした黒の足元で締めることをおすすめします。

 

あなたがキャリアのあるビジネスパーソンやポジションのあるエグゼクティブであれば、パーティや食事など華やかなシーンでも、ダークスーツを主体にしたコーディネートが良いでしょう。ただし、初対面のときなどの謹厳実直な雰囲気ではなく、華やかさや柔らかさは演出しましょう。

仕事帰りでも、ネクタイやポケットチーフ、靴を変えることによって華やかさや柔らかさは出ます。例えばストライプのネクタイをペイズリーに。白いチーフをTVフォールドで挿していたのをシルクチーフに変えてフワッとしたパフトスタイルに。真面目な印象の黒のストレートチップを文様が入ったウィングチップや光沢が強い靴に。このような工夫で十分「雰囲気」を変えることができます。

全身着替えることができるなら、写真下右のようなシルバーグレーのスーツで渋さと華やかさがあるスタイルにしても素敵です。

謝罪時のコーディネートのキーワードは「控えめ・地味」です。ダークスーツの中でも「誠実」のカラーであるネイビーを選びましょう。シャツも潔さと緊張感がわかる「白」一択です。ネクタイは必ず締めます。柄の入ったものではなく、ダークネイビーかダークグレーのソリッド(無地)にしてください。

頭を下げてもネクタイがぶらーんと下がらないよう、ジャケットのボタンの開け閉めは注意しておきます。

 

あなたのスーツスタイルに成功を!