声や話し方を決めるのは複数の要素です。その中には自分で変えることができる要素もあります。そのコントロールの仕方を覚えて、自分の思い通りの声を出せるようにしましょう。

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声を自分でコントロールする

 

声をコントロールする方法

自分の声や話し方が気になるビジネスパーソンやリーダーは多いようです。声や話し方は第一印象を左右するものであり、ビジネスコミュニケーションにも影響します。あなたも悩むまでいかなくても、声や話し方にそれほど自信がなくもう少し良くしたい、と感じているかもしれません。

声や話し方は変えられるのでしょうか。確かに、生まれ持ったもともとの声質は変えにくいです。しかし、声がどう聞こえるかについては複数の要素があり、その中には自分で変えることができるものもあります。その要素のコントロールを覚えて、自分の思い通りの声を出せるようにしましょう。

声の高さとスピードのチェック

 

一般的に声が醸し出す印象は、「声の高さ」と「話すスピード」によって左右されます。ですから、声をコントロールするなら、まず高さとスピードからです。 高さやスピードによる声の印象の違いを理解しておきましょう。

 

<高さやスピードによる声の印象の違い>

●声の高さ

声の高さは感情の高ぶりや愛想の良さ、元気さ、若々しさを伝えます。話しているときに声のトーンが高くなると、熱意を感じさせやすく、言っていることはより強調されます。

ただ、高すぎると、感情的に聞こえすぎるために理性が感じにくくなり、神経質・ヒステリックという印象も帯びることになります。

低くなると落ち着きが出ますが、低くなりすぎると、今度は「内圧」を感じるようになります。つまり、怒っている状態、内に強い感情が隠れている状態の印象が強くなるので、不機嫌で気難しい、近寄りがたい印象になるのです。

●話すスピード

話すスピードが早くなると、知性が高く有能な印象が出ます。しかし、早くなりすぎると聞いているほうの落ち着きどころがなくなります。そうすると、不安定で神経質な印象や、失礼な印象を持たれる可能性があります。

スピードが遅くなると安定感は増し、余裕や落ち着きを感じやすくなります。しかし、遅すぎると、鈍重な印象が出てきてしまい、聞いているほうをイライラさせることになりかねません。

 

<高さとスピードの組み合わせによる印象の違い>
      • 声が高く、スピードが遅くなりすぎれば「軽薄」のイメージが強くなります。
      • 声が高く、スピードが早くなり過ぎれば危うく、ヒステリックな印象を帯びます。
      • 声が低く、スピードが遅くなり過ぎれば、理知的な印象がなくなります。
      • 声が低く、スピードが早くなり過ぎれば、不満げな言い方、不機嫌さを感じる言い方になります。

 

「理想的な話し方」は、ちょうど良い声の高さとちょうど良い話すスピードの組み合わせですが、その理想的な話し方に対して、あなたの声は、声の高さと話すスピードの組み合わせはどのような位置にあるでしょうか。まず、そこから考えてみてください。

 

 

 

自分の声の評価と改善

自分の声を客観的に評価する

 

さて、あなたの持つ役割や立場、周囲に示したいイメージから考えて、どのような声の高さとどのような話すスピードの組み合わせが適切だとお考えですか? 有能さや若々しさを強調したいなら、声のトーンは少し高めに、スピードも早めの話し方でしょうか。落ち着きや安定感が必要なら、低めの声で適度にゆっくりしたスピードで話すと、すぐに雰囲気が伝わります。

では、適切と思われる高さとスピードの組み合わせに対して、今現在のご自分はどんな話し方をしているでしょうか。あらためて、ご自身の声を聞き、評価をしてみてください。

そのために、スマホなどに通常ついている録音機能を利用して、自分の声を録音し、聞いてみることをお勧めします。録音する内容としては1分くらいの自己紹介がいちばんわかりやすいでしょう。初対面の相手や、会合での簡単な自己紹介のときのつもりで、自分の名前や仕事、簡単なあいさつ程度のことを話し、それを録音して聞いてみましょう。

評価の仕方を見て、必要であれば改善をしてください。声の高さとスピードは比較的変えやすい要素ですので、改善効果がすぐ出るでしょう。

 

<評価の仕方>

 

1.チェックシートをダウンロードします。

ダウンロード

 

2.自分の声を聴きながらシートの項目別に評価点(理想の声が10点だとすると、自分の声は何点か)、その項目に変化を加えたいなら、どんな変化を加えたいかを書き込んでください。

 

3.次の教材の内容を理解しながら、2に役立ちそうなアクションをメモしていってください。

 

4.最後に自分が書いたメモを声を出して確認し、できることから実行していってください。

顕在意識で自分に命じたことは、無意識への指令としても機能します。意識して高さやスピードを工夫しているうちに、他の話し方の要素もご自身の理想に近付いていきます。