この回では、「人の見え方・見せ方」全ての基礎である正しい姿勢を理解して、身につける準備をします。

(トータル 24:02)

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(時間 トータル 24:02)

1 正しい姿勢とは/間違った姿勢とは

2 姿勢のチェック

3 まずここから注意する

 

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<Timetable>※時間はおおよそです。ご了承ください。

0:00〜8:50 正しい姿勢/間違った姿勢

8:50〜17:30 姿勢のチェック

17:30〜   まずここから注意する

 

TEXT

正しい姿勢とは

 

姿勢は、「人の見え方・見せ方」全ての基礎になります。歩き方、動作、服の着こなし、プレゼンやスピーチ、マナーや立ち居振る舞い、など全てに影響します。もし立ち方や姿勢のバランスが狂っていると、努力しても見た目や存在感は変わらないことがあります。どこかで気がつかなければ後々後悔することにもなりかねません。

まず、正しい姿勢を理解、 そして、誰もが陥りがちな 「間違った姿勢」も確認しておきます。 その上で 最後にあなたの姿勢や立ち方が正しいものに なっているかどうかをチェックしましょう。

さて、正しい姿勢とは?

それは「人間がそう立つようにできている」身体の保ち方です。

人間の身体は、いちばん重い頭を支えるようになっているのが特徴です。脳を入れた人間の頭は成人で7kg〜10kgとされており、なかなかの重さです。それを日常的に支えるには、身体が頭の重さを均等に配分するのが理想的です。

したがって、前後から見ても左右から見ても、重心が身体の真ん中を通るような姿勢や立ち方が正しいということになります。骨格がその中心となり、筋肉がそれを柔軟に支えるのです。これが「正しい姿勢」です。

 

間違った姿勢とは

 

姿勢は見た目だけの話ではありません。 均等に重心が配分されない姿勢や立ち方になっていると、 かかるべきではない負担が身体のどこかにかかり、 身体の故障や体型への悪い影響を招く恐れがあります。 これが「間違った姿勢」です。

ところが、私たちは一般的に、それほどしっかりと重心の配分を考えることなしに成長します。そのため、何かの拍子でバランスを崩しても気づかないことが往々にしておあります。そしてその偏りが蓄積し、結果的に「間違った姿勢」を選ぶことになるのです。

バランスの悪さが色濃く出てくるのは、ちょうど社会で活躍する年代です。ちょうどこれを見ているあなたの年代ではないでしょうか。

一般的に多く見られる「間違った姿勢」は、下記のようなものです。

 

●首が前に倒れている/猫背

首が前に倒れて、アゴが前に出ていたり、背中が盛り上がったように丸くなっ状態です。誰もがなりやすい状態で、特にほとんどの人がスマホやタブレットをいじったり、パソコン作業をする現代では、よほど気をつけていないとすぐにこの状態になってしまいます。
この状態は、見た目が頼りなくカッコ悪く見えるほか、顔が前に出るので写真を写したら顔が大きく見えるという悲しい現象も出てきます。そして、肩や腰に重い負担がかかります。

 

●肩や背が丸まっている

この状態の一般的な原因は、肩や背中の筋力の低下で、年を重ねるごとに
背が丸まっていく人はよく見られます。自分では変わらない姿勢のつもりが鏡で見るとひどく丸まっていた、という経験を多くの人が持っています。日頃から自分の背中に気をつけたいですね。この状態は、頼りなく見える、疲れて覇気がなく見えるほか、肩こりや背中の痛みなどが出ます。

 

●お腹が迫り出している/反り腰

カロリーオーバーで腹部に脂肪がついてくるにつれて、その腹部を支えるために体をそらすクセがつくことがよくあります。気がつかないうちに上体が大きく反ってしまいアゴもかなり上がってしまったりします。

また、やせ型の人もなりやすい「反り腰」は一見姿勢が良い人が陥りやすいもので非常に多く見られる現象です。姿勢をよくしようと胸をそらすあまり腰を反らしてお尻を出すような格好になり体のバランスを崩してしまうのです。胴回りが一回り大きく見えたりするので見た目も悪くなりますが、洋服のサイズが合っているはずなのに丈やウェストが合わないように見えることがよくあります。また、腰への負担は相当なものでこの姿勢グセのほとんどが慢性的な腰痛持ちと言われます。

 

●ヒザが曲がっている

ふだんからヒザをまっすぐ伸ばせておらず、曲がったまま立つクセがついていたり、関節を緩ませたままで歩いたり動いたりしている状態です。見た目がだらしなく見えるほかひざへの余計な負担がかかり問題を抱える人もいます。

 

●外側重心/O脚

頭の重さを体の中心で支えるために重心は体の真ん中を通ります。が、足は二本あるので、本来はそれぞれの足のやや内側に重心がかかります。その通常の状態が「内側重心」です。しかし、力を抜いて立つクセや内股で立つクセなどがあると重心がいつの間にかそれぞれの足の外側にかかってしまう「外側重心」にります。外側重心の弊害は大きいと言えます。腰やお尻のサイズの肥大、外モモの肥大、足の骨の湾曲、つまりO脚など体型が変化します。
自分ではきちんと立っているつもりでも、どこか抜けた感じの見た目になり、損なこと、この上ありません。

また骨盤がゆるんでみくみや血流の悪さの原因となったりヒザへの負担がかかるなど、健康面も心配です

どれも、見た目に悪く印象で損をする原因です。また、見た目だけでなく、慢性的な身体の痛みや骨の湾曲など、健康にも悪影響があります。姿勢のチェックを覚え、日頃から注意をしてください。

 

姿勢のチェック

 

姿勢のチェックをして、自分の状態を知りましょう。このチェックは1回だけではなく、定期的に行うことをお勧めします。姿勢はちょっとした歪みに気がつかないうちにどんどん悪くなります。毎日少しずつ歪みが蓄積するときは自分ではなかなか気づけません。だから、こうした方法で歪みを早めに見つけておくことが大切です。

 

姿勢のチェックは、横からと前からとで行います。

横から見た姿勢チェック

最初に横から見て正しい姿勢で立てているかどうかをチェックしましょう。壁や柱に背をつけてチェックする方法と、写真で見る方法があります。

 

<壁に背をつけてチェックする方法>

簡単に家などでできるチェックです。壁か柱に背をつけます。ヒザはまっすぐ伸ばしてください。2段階でチェックします。

1. 以下の4点が壁/柱につくかどうかをチェックしてください。

・後頭部

・肩後ろ

・お尻

・カカト

 

→全部つく=OK

→全部つかない、全部つくがかなり苦しい=×

 

 

2.  背中がどれくらい空いているかを確認してください。

→手のひらがぎりぎり入るくらいか、それ以下の空き=OK

→手のひら2枚分以上入るくらい空いている=×

 

 

1、2ともOKの人は、ここでのチェックでは姿勢は良いほうと言えます。この先のチェックでも確認してください。

1はOKで、2が×の人は、一見姿勢はいいですが、「反り腰」傾向です。今のままだと見た目にも健康にも悪影響が出ます。

1がすでに×、1・2とも×の人は、姿勢がかなり崩れています。即刻、正しい姿勢を覚えましょう。

ただし、自力で治そうとするときに痛みが出たりするようであれば整体院など専門家のもとで施術を受けることをお勧めします。

 

<写真撮影でのチェックする方法>

横から全身を撮影してください。画像を後からチェックします。

(誰かに頼み、少し離れて真横から全身が入るように撮影してください。スマホの場合はスマホ画面を地面に垂直にして撮影するよう注意してください)

 

1.  撮影画像で5点を線で結んでみてください。

・耳

・肩の高いところ

・腰部の真ん中

・ひざ

・カカト

 

線がほぼまっすぐであればOK

→線がまっすぐにならない=× 

 

2 撮影画像で3点を線で結んでみてください。

・胴部真ん中

・ヒザ

・カカト

 

→線がほぼ足の真ん中を通っていれば=OK

→線が片寄っている箇所あり=× 

 

 

1、2ともOKであれば、ほぼ正しい姿勢です。次のチェックも確認してください。

1はOKだが、2が×の場合は、骨盤が前か後ろに倒れるクセがついている恐れがあります。その場合は、正しい姿勢とは言えないので、特に骨盤に気をつけて姿勢を正しましょう。

1がすでに×、1・2とも×の人は、姿勢がかなり崩れています。即刻、正しい姿勢を覚えましょう。

ただし、自力で治そうとするときに痛みが出たりするようであれば整体院など専門家のもとで施術を受けることをお勧めします。

【姿勢撮影時の注意】

姿勢を撮影するときは注意したい点があります。

1 全身がちゃんと写るように 2mくらい以上は離れてとってもらいましょう

2 身体がまっすぐ写るように レンズは地面と垂直にしてとりましょう

 

前から見て姿勢をチェック

 

姿勢は前からもチェックしてください。前から見たときに、「外側重心」の立ち方になっていないかを確認してください。「外側重心」とはその名のとおり足の外側に重心が偏ってしまっている状態です。

頭の重みを上半身は身体の真ん中で支えます。下半身も中心で支えますが、足は2本あるため、本来は両足をつけた状態でやや内腿寄りを重心が通っているイメージです。つまり「内側重心」が正しい姿勢です。

 

1 全身が写る鏡を用意し、その前に立って全身を写します。ヒザを伸ばして自然に立った時のつま先の向きを見てください。

 

→つま先がやや外側を向いている=OK

→つま先がまっすぐか、内側を向いている=×

 

 

2 ヒザを伸ばし、カカトをつけて、つま先を少し(約10cm)開いた状態でモモから足首までのつき具合を見てください。

 

→両足がほぼくっついていれば=OK

→両足の間に目立つスキマがある、足首の部分が外側に倒れて見える=×

1がOKであれば、正常に立てています。しかし、もしもふだんヒザが曲がっている人はガニ股になりますので、立つときはヒザをきちんと伸ばすように意識してください。

1は×だが、2はOKという人は、外側重心の傾向がありますが、まだ体型に悪影響は出ていません。ただし、見た目は頼りない印象が強いはずです。今すぐ立ち方を変えて、内側重心に切り替えてください。

1、2とも×であれば、外側重心のクセがついていて、体型にも悪い影響が出ています。今すぐ立ち方を変えて、内側重心に切り替えましょう。足の湾曲を軽減してスキマをある程度解消できるエクササイズもありますので諦めることはありません。

 

まず、ここから注意する

姿勢のチェックで「×」があった人は、正しい姿勢の作り方の前に、まず今日から注意してほしいポイントを説明します。

 

1 内側重心にする

人間の立ち方の基本は「内側重心」ですが、いつの間にか「外側重心」になってしまっている人は多いものです。外側重心防止策として、次の3点に気をつけてください。

●立つときは必ずかかとはつけ、足先は少し開く

立つときには、カカトをつけ足先を少し開くようにする習慣にしてください。このようにすると、自然に重心が内側に来やすくなります。ただし、ヒザをきちんと伸ばさないとガニ股に見えてしまいますので気をつけてください。

 

●下半身を内側に引き締める

モモ内側、ヒザ、ふくらはぎをくっつけるイメージで足を内側に引き締めてください。慣れないと、まっすぐ立つのが辛いかもしれません。最初は無理しない程度に引き締めます。ただし、ヒザは曲がらないように気をつけてください。

 

●重心を内側に寄せることを意識する

外側重心の立ち方の場合、足首が外側に倒れ、足の裏の外側に重みがかかります。重心を内側に寄せるには、この足首が地面と垂直になるような角度に戻すことを意識してください。そして足の裏の重みを内側にかけるようにしてください。

 

2 反り腰を防止する

「反り腰」はかなり多くの人が無意識にしています。特に「姿勢を良くしよう」と思う人が陥りがちな、身体の歪みです。そうならないよう、今日から防止しましょう。次の3点にトライしてください。

●日常的に壁に背をつけてチェックする

姿勢の歪みを客観的に教えてくれるのは、物理的にまっすぐな壁です。日常的に背をつけてチェックしたいですね。先ほど説明したチェックと同じように、後頭部・肩後ろ・お尻・カカトの4点を壁につけたら、背中のところに自分の手のひらを差し入れてスキマが空いていないかチェックしてください。空いてたら胃の辺りを引っ込めて、背中が壁につくようにします。ついた状態を身体の感触で覚えましょう。自然にできるようになります。

 

●胃の辺りの筋肉の緊張を緩める

 

反り腰の人は、胸を反らせる意識が強いため、胸の下の胃の辺りの筋肉を緊張させていることが多いです。気が付いたら、なでさすって筋肉の緊張を緩めてあげてください。力を入れて緊張させるなら、下腹(おへその下あたり)に軽く力を入れるようにしてください。そのほうがラクに良い姿勢を保てます。

 

●お尻とお尻の穴を引き締める

反り腰になると骨盤が過度に前に倒れることが知られています。これを防ぐために、お尻を引き締めるようなイメージで引っ込めてください。お尻の穴を締めるようにして全体を引き締めるとうまくいくでしょう。何気なく信号待ちをしている時などに引き締めクセがあると、体型も締まりますので、やってみてください。

 

いかがでしょうか。正しい姿勢は理解していただけましたか? そして、「間違った姿勢」もしっかり確認できたと思います。

あなたの姿勢はどうだったでしょうか。今日、間違った姿勢であっても、ポイントを知って正しい姿勢を意識していただければ、驚くほど改善しますので、安心してください。まずは今日から気をつけたいポイントを早速開始してください。明日には、見た目の印象がもう変化しているかもしれません。