香りは繊細なものだけに、いざ買うとなると選ぶのが大変です。

ショップの売場には何種類ものボトルが並べられ、名前を聞いてもわけがわからない。つい誰もが知る有名ブランドに手を出したり、ショップスタッフに提案されるまま決めてしまう、ということはないでしょうか。

ここでは、自分に合う香りを慎重に選ぶ際の「香りのかしこい購入のしかた」をご紹介します。

ショップの売り場で薦められるまま買ってしまった、あるいは、いくつか購入候補を決めることはできても、迷っているうちにどれがいいかわからなってしまった? これらは当たり前のことなのです。その経験で「フレグランスが苦手」と思ってしまう人もいるくらいです。しかし、それも悔しい話です。

まず、香りはその人自身のイメージを決めてしまうものです。また、高価なものでもありますから、あまり失敗はしたくありません。即断即決はやめておきましょう。

ですから、プライベートな時間用であればともかく、ビジネスシーンでつけるものに関しては慎重に選びたいものです。そのため、あらかじめ「少し時間がかかるもの」と思ってください。

 

INDEX

 

1.いきなり売場にいかず、コンセプト確認 → 2.売場に行ったらすぐ買ってはいけない・肌につけてもいけない → 3.いったん帰って候補を絞る → 4.まだ購入しない。・自分との相性をチェック → 5.購入・香りマネジメントへ

 

 

1.いきなり売場にいかず、コンセプト確認

 

購入というアクションの前に、「コンセプト」を固めておきましょう。

⑴シーンや場所で整理しておく

 

自分が欲しい香りを整理しておきます。まず時間や場所をイメージしておきましょう。「日常の仕事用。日中に、狭いオフィスでもつけられるもの」というイメージもあれば、「講演を行うときにつけるもの。少し個性や華やかさがほしい」というイメージもあるでしょう。

このようなシーンや場所のイメージをショップスタッフに伝えられれば、スタッフ側からの提案がより具体的になります。

 

(2)どんな香りが好きか、とりあえず言語化しておく

 

こちらのページを参考に、どんな系統の香りが好きかを言葉に出せるようにしておくと、ショップスタッフの方も提案しやすくなります。

また、こちらのリストや雑誌、ネットなどから、興味を引かれるフレグランスを2、3リストアップしておくのもいいでしょう。そのフレグランスを実際に聴いてみて好みのものではない場合も、スタッフの方からすると、先にあなたがリストアップしたものを知ることで、あなたが好む香りやブランドの傾向を測りやすくなります。

そして、あなた自身にとっても「何となくいいな」と思ったものを実際に試すことで「これよりもう少しさっぱりしたもの」とか「もう少し甘さがないもの」などとイメージをより自分の好みに近いものに発展させることができます。

 

 

2.売場に行ってすぐ買ってはいけない。つけてもいけない。

 

売場に行ったら、商品のことをよく知っていそうなショップスタッフに声をかけて(こちらからかけなくても、向こうからかけてくるとは思いますが)、上で言ったような「どういうときにつけたいか」「どんな香りが気になるか」を伝えて、候補となるフレグランスを何種類か出してもらいましょう。

説明を聞いたり、ボトルデザインを見たりして、試してみたいものをピックアップします。

この日は買いません。香りは時間によって変化し、最後までを確認しないと自分に合うかどうかがわかりません(詳しくはこちら)。ですから、すぐに購入を勧めるようなショップスタッフはいません。気にせずに試させてもらいましょう。

ただし、この日は自分の肌にもつけないでください。

ほぼ購入を何かひとつで決めているならいいですが、まだ数種類決めかねているようなら、すべて肌につけてはわからなくなります。この日はムエット(香りのサンプル紙)でもらいましょう。

 

 

ムエットは、だいたいそのメーカーやブランド名オリジナルのものに香りを吹き付けたものをくれますが、メーカーやブランド名だけだと後でわかりにくくなるので、フレグランス名をメモしてもらってください。

 

 

3.いったん帰って、候補を絞る

 

いったん帰って、購入候補を絞ります。もらったムエットを使い、それぞれ1~2時間くらい経ったところで香りをもう一度確認してください。

 

そして翌日に香りをもう一度確認しましょう。ここまで確認して気に入ったものがあれば、それをメモしてまたショップに行ってください。

 

 

4.まだ購入しない。最後に自分との相性をチェック。

 

今回、ショップに来た目的は、実際に肌に乗せて自分との相性を最後に確かめることです。ですから、まだ購入はしません。

絞った候補のフレグランスを指定し、実際にそれを肌につけてみたいと申し出てください。手首に軽くスプレーするか、トントンとつけるくらいがいいでしょう。

 

 

つけていて違和感がなく、良い心地であれば、その香りを購入していいでしょう。ただし、1~2時間たった香り(ミドルノート)、半日くらいたった香り(ラストノート)までは確認したいので、購入するとしても翌日以降になります。

 

5.購入 本気で香りマネジメント

ここまで試してやっと購入です。
ショップスタッフの方に悪いな、などと遠慮して妥協をしてしまってはいけません。自分の香りはそれだけ大事だと思うことです。

 

 

ただし、スタッフの方にお手数をかけるのは間違いありません。歓迎されないお客様にならないよう、物腰は柔らかく、言葉は丁寧にしましょう。また、スタッフの方を煩わさせすぎないよう、上の1~4まではできるだけ売場が空いている時間を見計らって行きましょう。

 

 

香りはあなたの陰影となります。
あなたの印象を相手に無意識に記憶させる、ブランディングのための大切な要素です。また、心地よい香りを身につけることは、周囲の人に対してのエチケットでもあります。

何より大事なのは、香りはあなたの自律神経に作用しメンタルにも影響するということです。ぜひ真剣に選び、香りマネジメントを行ってください。