心理学の分野では「対人魅力」を研究する分野があります。人が人の何に引かれるのか、根源的な要素を探るものです。では人を惹きつける人になるには、どこに気をつけるべきでしょうか?

 

 

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本能を突破して人を惹きつける

 

人は他の動物と違って、「思考」の生き物です。他の動物にはない脳器質「大脳新皮質」を中心に思考でき、理性的であることができます。

しかし、だからと言って、本能的・動物的な脳の部分がお休みしているわけではありません。

人間も一個の生物として、他の生物と同様に自分の安全、生命、種の保存を使命としてDNAに刷り込まれています。そのため、本能的に周囲を監視し、自分の存在にとっての危険性を警戒しています。なお、これは私たちが通常知覚できる意識ではなく、無意識(潜在意識)の領域においての話です。

 

 

本能は、自分の安全、生命、種の保存を脅かしそうなものに対しては「不快感」を持ち、忌避反応を示します。いちばん強い忌避反応は「逃走・闘争反応」と呼ばれ、危険な対象から全力で逃げ出すか、生命を賭けて戦いを試みるように反応します。しかし、通常は、避けたり近づかないように距離をとるくらいでしょう。

実際の社会においては、本能的に忌避したい対象であっても、忌避反応だけでなく理性が働きます。コミュニケーションを取らなければならない相手なら、それなりに話したりはできるでしょう。しかし、そういう相手には「何となく近づかない」「親しくしない」「できるだけ無視する」という行動になりがちです。

逆に安心や安全が確保できそうな予想をしたときには、対象の接近を許す(受容)行動や、自ら接近するなどの好意的な行動になります。

 

 

 

では、対象が「自分の安全、生命、種の保存を脅かしそう」がどうか、どこで見分けるのでしょうか。 そのポイントが「印象」です。印象は五感を通じて収集した情報を元に形成され、無意識下の判断の基礎となります。

 

「不快」な印象は、「敵意がある、または敵意があるかどうか不明」「病的・不潔・不健全」「暗い(明るくない・未来を感じない)」「粗野で文化度が低い」などと感じたときです。

不健康な感じがしたり、行き先が暗い雰囲気だったり、と想像すれば、なるほど「自分の安全、生命、種の保存を脅かしそう」と感じるはずです。こんな印象を与えてしまうと、好意的な反応は返ってきません。そうなれば、信頼も期待も敬意も絶対に期待できません。

だからこそ、「身だしなみ」などが重要になってくるのです。このようなごく基本的に「安全・清潔」という表現をすることに気を配るのは、本能の警戒を突破して人を惹きつけるための最低条件なのです。

身だしなみができていなければ、少なくとも「不潔・不健全」と不快な印象を与えることになります。また、実際に不潔なところがなくても、そう見えなければ何の効果もないことになります。具体的に言うと、毎日シャワーを浴びて歯を磨いていても、頭がボサボサで、肌がカサカサで、歯に着色汚れがついていれば、「不潔」と同じ判断を相手に与える可能性があるということです。

何度も言いますが、これは無意識の反応であり、いったん反応が起これば「今日はたまたま」や「こう見えても良い人間です」などの言葉は通じなくなります。人に嫌われるのは実は非常に簡単なことなのです。

 

自分の「不快指数」のチェック

あなたは、うっかり人に不快を感じさせていないでしょうか? 念のため「不快指数」をチェックしてみませんか? →身だしなみ Basic Check(ダウンロード)

(ダウンロードシートのうち、(M)は男性向け、(F)は女性向けです)